東京都港区の整形外科・内科・リハビリテーション科、
訪問診療、在宅診療のアットホーム表参道クリニック

アットホーム表参道クリニック

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骨粗しょう症専門外来

骨粗しょう症専門外来

当院での骨粗しょう症専門外来では、最新のDEXA骨密度測定装置を導入し、定期的な検査、治療方針の見直しによって骨粗しょう症の進行を防ぐといった通常の治療のみならず、運動や食事による生活習慣の改善を軸にした「予防」までカバーする診療を行っております。

骨粗しょう症とは

骨粗しょう症は、骨量の低下や骨質の悪化による骨強度の低下を来し、骨折しやすくなる疾患です。転んで手をついた、重いものを持ち上げた、自宅でしりもちをついた、など、日常生活の中の少しの外力で、骨折してしまうことがあります。

また、骨折をしなければ症状がないので、きづかないうちに発症、進行していることがあります。背骨に関しては、「いつの間にか骨折」(圧迫骨折)していることもあります。背中が丸くなってきた、身長が低下した、骨粗鬆症の家族がいるなどの人は、骨X線撮影や、骨密度測定により骨折の有無、骨密度低下を見つけることが大切です。

また、骨密度減少をきたす疾患は骨粗しょう症だけではありません。甲状腺・副甲状腺機能亢進症などの内分泌疾患や多発性骨髄腫などの悪性疾患、癌の骨転移などが隠れていることもあります。

当院では、画像検査と血液検査、内科と整形外科の連携により、これらの疾患の鑑別もしっかりと行っています。

骨粗しょう症の原因

骨粗しょう症は、遺伝的要因(体質)に、生活習慣(喫煙や過度のアルコール摂取、運動不足、栄養不良など)が加わって発症する疾患です。骨密度の5〜7割は、遺伝的に規定されており、両親や祖父母に背中がまがった人、足の付け根の骨(大腿骨)の骨折の人がいれば、かかりやすい病気といえます。

骨密度は、年齢とともに高くなり、青壮年期に最大(最大骨量)となり、その後、女性は閉経期に大きく、その後は緩やかに、男性は加齢に伴い緩やかに低下します。

骨粗しょう症になる方は、最大骨量が低い方や、加齢に伴う骨量減少が大きい方、またはその両方の方です。

成長期、青壮年期、老化の全ての時期で、栄養不良(栄養バランス、カルシウム、ビタミンD、ビタミンK不足など)、運動不足、喫煙や過度のアルコール摂取は、低骨密度と関係します。骨は重力を支える臓器であり、低体重、痩せの人も骨が低下しやすくなります。また、性ホルモンが骨に影響するため、女性では、月経の状態や妊娠・出産・授乳、閉経の時期、乳がん治療に伴う女性ホルモン抑制療法、男性では前立腺がんに伴うホルモン療法についてなども骨にとって大切な情報です。

最大骨量が男性より低く、ホルモンの変化も大きい女性がかかりやすい病気ですが、加齢に伴い、男性にも発症しやすくなる疾患です。

骨粗しょう症の主な症状と合併症

骨粗しょう症の主な症状は、合併症である骨折や、骨折に伴う変形によるものです。骨折しやすいところは、胸から腰のあたりの背骨、手首の上の前腕の骨、肩の下の上腕の骨、股関節で、軽度の外力での骨折をきたし、脆弱性骨折とよばれます。

そのため、身長の低下、背中が丸くなる、腰痛、足の付け根の痛み、歩けなくなるなどが起こります。背骨の骨折は自覚症状がないこともあります。

背中が丸くなることで、呼吸機能、消化管の働きが悪くなったり、視界が悪くなる、バランスが悪くなり転びやすくなることもあります。これらは、要介護や寝たきりの原因として高頻度のもので、骨折、とくに最初の骨折を予防することが大切です。

骨粗しょう症の診断・検査

骨粗しょう症の診断には、、第1に、腰痛や骨折、骨密度低下をきたす骨粗鬆症以外の疾患、具体的には、甲状腺・副甲状腺機能亢進症、下垂体・副腎疾患などの内分泌疾患や、多発性骨髄腫、癌の骨転移などの悪性疾患、変形性脊椎症、後縦靱帯骨化症などを鑑別することが大切になります。

第2に、骨折の有無や骨密度のよる骨粗しょう症の重症度の評価です。そのため、当院では脊椎レントゲン(胸腰椎二方向)により、脊椎骨折や変形の有無を評価し、DEXA法による骨密度測定、採血(一般、ホルモン値、骨代謝マーカーなど)を実施しております。

検査結果は、脆弱性骨折の有無と若い成人の平均骨密度(YAM)との比較で判断します。

脆弱性骨折のうち、大腿骨近位部骨折または椎体骨折があれば、原発性骨粗しょう症、その他の部位の脆弱性骨折があれば、YAMの80%未満で原発性骨粗しょう症と診断します。脆弱性骨折がない場合は、YAM値の-2.5SDより大きく-1.0SD未満でで骨量低下、70%以下または-2.5SD以下で原発性骨粗しょう症と診断します。いずれも、他の骨密度低下や骨折をきたす原因がないことが前提です。

*二重エネルギーX線吸収測定(DEXA)法
DEXA法は、骨密度を正確かつ簡便に測定でき、放射線被ばくも少ない非侵襲的検査です。
検査台に横たわり、X線装置が体の上を移動しながら骨密度を測定します。当院では、腰椎と大腿骨頸部の骨折リスクが高い場所を主に測定しています。

骨粗しょう症の予防と治療

骨粗しょう症及び、合併症である骨折の予防のためには、成長期に最大骨量を高くすること、加齢などによる骨量減少をなるべく緩やかにすること、骨質劣化を防ぐこと、転倒を予防することが大切です。

1)薬物療法以外 <栄養、体重、運動>

栄養・体重

必要なカロリー、栄養素が確保されたバランスの良い食事は全て時期において大切です。栄養素では、カルシウム、骨に必須のビタミンであるビタミンD、ビタミンKがとくに重要です。

カルシウムは、日本人の摂取量が基準量を下回っていることが知られています。骨粗しょう症の治療としては700~800mgが推奨され、乳製品や食品から積極的に摂取することが推奨されます。

ビタミンDは、カルシウム代謝や骨の健康に必須で、600~800IUが推奨されます。近年、筋肉や神経、免疫の働きに大切なことがわかってきました。紫外線対策の徹底、日照時間の減少などもあり、多くの人で欠乏状態であることがわかっています。骨粗しょう症の方は、保険診療で血中濃度を測定することで充足状態を知ることが、1度だけできます。

ビタミンKは、納豆、緑の野菜に多く含まれ、250~300μgが推奨量です。血中のucOC(非カルボキシル化オステオカルシン)を測定することで、充足状態を知ることができます。また、ビタミンB6、B12、葉酸は、骨質に影響するホモシステインの代謝に関わるため、適量を摂取することが大切です。

一方、アルコール、カフェイン、食塩、リンを含む食品は、カルシウム排泄の増加にもつながり、過剰摂取に注意が必要です。(サプリメントは有用ですが、組み合わせや量により、かえって害となることがあります。医師や栄養士にご相談ください。)

適正体重以下の場合、急激な体重減少などは、最大骨量低値や骨密度低下促進につながります。また、加齢に伴う筋肉量減少(サルコペニア)は、転倒リスクにもなります。女性のやせは増加しています。閉経後も問題ですが、若年女性では、妊娠時に胎児の骨を作る必要があり、授乳によっても骨量減少が進みます。極端な場合には、「妊娠後骨粗鬆症」を発症することもあります。

運動

運動には、有酸素運動、レジスタンス運動、ストレッチがあり、バランス訓練も含め、骨量増加、減少予防に加え転倒予防にも大切です。また、骨に対する効果以外に、骨質を悪化させる糖尿病などの生活習慣病の予防や、更年期障害の症状軽減、認知症やサルコペニア・フレイル予防にも役立ちます。

ウオーキングはどの段階のかたにも薦められる有酸素運動です。万歩計、スマホなどを利用して、現在の歩数を知ることから始め、少しずつ増やしていきましょう。片足たちやスクワットなどは隙間時間にも取り組めますし、太極拳やラジオ体操などは、複合的な運動になります。通勤や家事などの日常生活活動も有効です。

すでに骨粗しょう症を発症している低骨密度の方は、重いものを持ち上げることや跳躍、激しい運動は、骨折リスクになりますので避けましょう。

<しっかり栄養をとり、適切な運動をすることで骨貯金+貯筋に繋げ、骨粗しょう症とフレイル対策をしましょう。>

2)薬物療法

骨は、カルシウムの貯蔵庫としての役割を果たす必要もあり、古くなった骨を壊したり(破骨細胞による骨吸収)、新しい骨を作ったり(骨芽細胞による骨形成)の新陳代謝(骨代謝)を行なっています。

骨吸収と骨形成のバランスが取れていれば、骨は一定に保たれ、骨吸収が骨形成を上まわれば、骨量は減少していきます。骨祖しょう症の治療薬は、骨代謝に作用し、骨折予防につなげます。大きく4つに分けられます。

3)骨を壊す破骨細胞の活動を抑え、骨吸収を抑える薬

ビスホスホネート

破骨細胞による骨吸収を抑え、骨量(骨密度)を増やす薬です。飲み薬と注射薬があります。飲み薬は1日1回、1週間に1回、4週間に1回、月1回のタイプ、注射薬は4週に1回、月1回、年1回のタイプがあります。当院では、主に週1または月1の飲み薬、月1の点滴を使用しています。

選択的エストロゲン受容体作働薬(SERM)

骨に対して女性ホルモンのエストロゲンと同じ作用を発揮し、破骨細胞の働きを抑える働きがあり、骨質を改善する作用もあることが知られています。エストロゲンの分泌が欠乏する閉経後の骨粗鬆症の患者さんに使われる飲み薬です。

抗RANKL抗体

破骨細胞の形成・活性化などを促進するたんぱく質である<RANKL>の働きを抑えることで、骨吸収を抑制します。骨量(骨密度)を増やし、背骨(椎体)や足の付け根(大腿骨近位部)の骨折が発生する割合を抑える効果も認められています。クリニックでの皮下注射を6ヵ月に1回行います。血清カルシウム値が低下しないよう、内服薬を併用することが一般的です。

2)新しい骨を形成する骨芽細胞を増やし、骨形成を促進する薬

副甲状腺ホルモン薬

骨芽細胞を活性化させて骨形成を促し、骨量(骨密度)を増やします。注射薬(皮下注射)で、自宅で毎日、または週に2回注射する患者さん自身が注射するタイプと、医療機関で週1回注射するタイプがあります。骨量(骨密度)が非常に低下して骨折の危険性が非常に高い方や、既に骨折している重症な方に用います。 治療期間は最大2年まで(24カ月間)です。

3)骨吸収を抑え、骨形成を促進する薬

抗スクレロスチン抗体

骨の細胞から出て、骨形成を阻害する働きがあるスクレロスチンの働きを抑えて、骨形成を維持・促進します。また、骨吸収を抑える働きもあり、骨量(骨密度)を増やします。注射薬(皮下注射)で、医療機関で月1回の注射を12カ月続けます。 骨量(骨密度)が非常に低下して骨折の危険性が非常に高い方や、既に骨折している重症な方に用います。

4)骨に必要な材料を補充または骨代謝をサポートする薬

骨に必要な成分を補充したり、骨代謝をサポートしたりする薬です。骨の状態や、食事で摂取することが難しい方などに処方されます。

カルシウム

カルシウムは骨の構成成分の一つで、骨に不可欠な栄養素です。単独ではなく、他の薬剤と併用されることが多いです。

活性型ビタミンD3

活性型ビタミンD3は、ビタミンが体のなかで変化し、ホルモンに近い形になったもので、骨代謝に欠かせないカルシウムやリンの腸での吸収を促進する働きがあり、骨形成の促進・骨吸収の抑制によって骨量(骨密度)を増加させます。椎体(背骨)の骨折リスクを減らす効果も認められている飲み薬です。

ビタミンK2

ビタミンK2は、骨量(骨密度)の維持もしくはわずかながら増加効果があり、太ももの付け根以外の骨折が発生する割合を抑える効果も報告されています。主に閉経後の骨粗鬆症の患者さんに対して処方される飲み薬です。ワーファリン内服中の方には使用できません。


その他、骨粗鬆症に伴う背中や腰の痛みに、カルシトニン製剤の注射を使用することがあります。

当院では、年齢、性別、症状や骨密度、骨折の有無、骨代謝マーカーなどから判定される骨粗鬆症の重症度や合併症と、飲み薬、注射製剤の各製剤の特性を考え、患者様と相談して、治療法を決定します。 治療を始めた後も定期的に、骨密度や骨X線の画像検査、骨代謝マーカーなどの血液検査の結果から、その時の状態にあったお薬を見直していきます。

治療は継続しましょう。骨粗しょう症の治療は、すぐに効果が表れるものではなく、時間がかかります。途中でやめてしまうと骨折の予防が難しくなりますし、薬剤によっては、治療の中断により治療効果がなくなってしまうものもあります。

骨粗しょう症は老化に伴う疾患でもあり、治療期間は長くなることが多いですが、骨折や寝たきりを防ぐためにも、相談しながら、治療を継続することが大切です。

骨粗しょう症の予防法

骨粗しょう症の代表的な予防法としては、以下の3つが挙げられます。

(1)適度な運動

骨粗しょう症予防には、運動が効果的です。特に、ウエイトトレーニングや有酸素運動など、骨に負荷をかける運動が効果的です。運動によって骨密度を維持・増加させることができ、骨折のリスクを減らすことができます。

(2)食事への配慮

カルシウムやビタミンDを摂取することが、骨粗しょう症予防に重要です。カルシウムは、牛乳やチーズ、大豆製品などに多く含まれています。ビタミンDは、日光によって肌から生成されることがありますが、日光を浴びることが難しい場合には、サプリメントなどから摂取することもできます。

(3)喫煙やアルコールを控える

喫煙やアルコールは、骨粗しょう症のリスクを高めることが知られています。喫煙は、骨の形成を妨げるとともに、女性ホルモンの分泌を低下させるため、骨粗しょう症の発症リスクが高まります。アルコールも、過剰摂取することでカルシウムの吸収を妨げるため、骨粗しょう症の発症リスクが高まります。したがって、喫煙やアルコールは、できるだけ控えるようにしましょう。