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在宅医療の現場から
第5回:大腿骨頸部骨折後の在宅生活が運動機能へ及ぼす影響
今回は、2名の大腿骨頚部骨折患者の経過についてお話しします。A子さんは91歳、B子さんは87歳、ともに大腿骨頚部骨折のために手術を受けた女性です。
A子さんは認知症のためリハビリができず、術後18日目に退院しました
A子さんは入院して人工骨頭置換術を受けましたが、認知症があったためか術後に夜間不穏が出現しました。このためにリハビリをするのは難しいと判断され、入院中にリハビリはまったく行わずに術後18日目に退院しました。入院中に家族から当院に相談があり、退院後4日目に初診、9日目から訪問リハビリを開始しました。

初診時の診察では、認知症はあるものの、簡単な指示動作の従命や会話は可能でした。座位保持はかろうじて可能でしたが、寝返りや起き上がりには介助が必要でした。また、患側の股関節周囲筋に加えて両側の大腿四頭筋の筋力低下が著明であり、中程度の介助により立ち上がることはできましたが、ベッド柵につかまっていても片脚起立はおろか足踏みの動作さえできませんでした(図1:基本動作8点、移動能力15点、総合評価23点)。昼夜ともにオムツを使用していて、トイレは使用していませんでした。歩行は困難であると判断して、ポータブルトイレや車いすへの移乗時の介助量の軽減を目標として訪問リハビリを開始しました。

家族がリハビリに熱心であったため、家族が介助をしながら患者本人がなるべく動くように心がけて生活してもらい、さらに自主トレーニングにも十分な時間を割いて行ってもらうことができました。訪問リハビリは約3ヵ月間行いましたが、終了時には、1人で立ち上がれるようになり、寝返りや起き上がりは自立していました。さらに、家族の手引き歩行により居間まで歩行できるようになったため、ベッド上でしていた食事は家族といっしょに食卓でとれるようになりました。また、ポータブルトイレを使用できるようになりましたが、ポータブルトイレへの移動は見守りレベルとなりました(図1:基本動作12点、移動能力19点、総合評価31点)。
2つのケースを比較してみましょう
2つのケースは同じ大腿骨頚部骨折ですが、経過はまったく異なっています。A子さんのようなケースはときどき遭遇しますが、リハビリの適応がないとされている患者です。家族の受け入れがよかったこともあり、抜糸の翌日に退院してきました。初診時のADLはかなり低く、オムツをしているためトイレの訓練はまったく行っておらず、寝返りさえ全介助だったため、この先どうなることかと心配になりました。家族の積極的なリハビリ補助により状態はみるみるうちに改善して、初診後3ヵ月後には手引き歩行が可能となり、ポータブルトイレは見守りレベルとなりました。訪問リハビリの効果が顕著に示せたよい例です。

B子さんは受傷前に屋外歩行が自立していたことを考えると、もともとのレベルも術後のゴールもA子さんよりも明らかに上です。そのため、B子さんはリハビリをしっかり行って室内歩行が自立した状態で帰宅できたのです。ところが、独居でヘルパーのみの介入で生活していたためにADLや歩行機能はあっという間に低下して、退所後わずか3ヵ月でトイレに行けなくなってオムツになり、屋内歩行にも介助が必要となってしまいました。せっかく歩行できる機能があっても、日々歩行しないとすぐに歩けなくなってしまうのです。訪問リハビリを開始すると、導入後約半年でトイレは自立しています。

このように、ADLや歩行機能が低下するのはすぐですが、低下した機能を向上させるには長い期間のリハビリが必要です。そして、低下した機能を向上させるよりも維持することのほうがずっと簡単なのです。そのため、ある一定レベル以下の患者では手すりの設置などの環境整備を行ったうえで、退院直後に訪問リハビリで室内歩行やトイレ歩行、さらには入浴などのADL訓練を行いスムーズに在宅生活ができるように支援し、今ある機能が低下しないようにすることが重要です。また、訪問リハビリにより低下した機能を向上させることも十分可能です。

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