物忘れ外来・認知症専門外来
物忘れ外来・認知症専門外来
当院の物忘れ外来は、加齢(老年医学)を専門とする医師による診察です。
「物忘れ」=認知症とは決められません。物忘れには、生理的老化の範囲内の物忘れと病的な物忘れがあります。病的物忘れの原因も様々です。うつ病や心的外傷後ストレス障害(PTSD)など精神疾患に伴うもの、更年期症状の一部、内分泌疾患や、電解質異常、栄養素の欠乏によるもの、感染症、アルコールや薬剤が原因のこともあります。認知症は、一度獲得した認知機能が低下したために、日常生活に支障をきたす状況を言います。
当外来では、物忘れを中心とする様々な症状から、各種検査を行い、総合的に診療します。加えて、認知症専門医による専門外来が、月2回(第1・3金曜日)あります。当院では、一般的な物忘れ外来でなされる検査以外に、専門の臨床心理士による詳しい認知機能検査や、血液検査で行う、将来認知症になるリスクの評価も行なっています。将来の認知症に早く備えたい方の受診もお勧めいたします。
ご高齢の患者様へ
高齢者の方にはいくつもの疾患があり、治療も複雑となってきます。認知機能の低下が軽度であっても、総合病院への受診や複数医療機関、複数の診療科への受診は、薬剤数の増加(ポリファーマシー)、相互作用による副作用のリスクが上昇します。
ご本人の状況から、検査や治療の優先順位を考えること、日常生活サポートの視点を持ち、生活の質とのバランスを考えた診療は、老年医学専門医が大切にしていることです。「物忘れ」も含めて総合的に診療を受けたい方、ご家族に受けてほしい方はぜひ、ご受診ください。
こんな方に受診をお奨めします。
- 少し前の出来事を忘れる
- 忘れ物や、探しものが多くなった
- これまで難なくできていたことに時間がかかり、できないこともある
- 総合病院や複数医療機関の受診が負担
- 薬の数が多い、または管理に不安がある
- 約束を忘れることがあった
- 手続きやお金の管理が苦手になる
- 日付や曜日がわからなくなることがある
- 同じことを何度も言ったり、聞いたりする
- 自宅への帰り道がわからなくなったことがある。
- 家事ができなくなる
- 身だしなみに気を使わなくなる
- トイレの失敗(失禁)が増える
- 怒りっぽくなる
- 自分のものを誰かに盗まれたと疑う(モノ盗られ妄想)
- 少し前の出来事を忘れる
- 忘れ物や、探しものが多くなった
- これまで難なくできていたことに時間がかかり、できないこともある
- 総合病院や複数医療機関の受診が負担
- 薬の数が多い、または管理に不安がある
- 約束を忘れることがあった
- 手続きやお金の管理が苦手になる
- 日付や曜日がわからなくなることがある
- 同じことを何度も言ったり、聞いたりする
- 自宅への帰り道がわからなくなったことがある。
- 家事ができなくなる
- 身だしなみに気を使わなくなる
- トイレの失敗(失禁)が増える
- 怒りっぽくなる
- 自分のものを誰かに盗まれたと疑う(モノ盗られ妄想)
ご本人が上記の症状を自覚している場合、あるいはご家族に上記の症状を抱えた方がいらっしゃる場合、いずれもぜひお気軽にご相談ください。
認知症
「認知症」とは、脳の病気や障害など様々な原因により、認知機能が低下し、日常生活全般に支障が出てくる状態をいいます。脳細胞の変性や神経結合の損傷によって、情報の処理や記憶、判断力などに障害がみられます。
認知症の主な原因はアルツハイマー病ですが、他にも血管性認知症やレビー小体型認知症などの種類があります。アルツハイマー病は脳内のアミロイドβタンパク質の異常堆積が関与しています。高齢者に多く見られる状態ですが、認知症は単なる老化の一部ではありません。一部の遺伝的要素や生活習慣、心血管疾患などがリスク要因として関連しています。認知症になりやすい人としては、高齢者や家族に認知症の症例がある人、心血管疾患の既往がある人、認知症関連遺伝子の変異を持つ人などが認知症になりやすいとされています。
認知症では、物忘れ、見当識障害(時間や場所がわからなくなる)、失行(いままでできたことの手順がわからなくなる)といった症状(中心症状)に加え、不機嫌、怒りっぽい、意欲が低下するなどの精神的、心理的な症状が生じることもあります(周辺症状)。周辺症状が、ご本人・家族の生活の質の低下を招くことも多いです。物忘れ自体を直すことは困難なことが多いですが、周辺症状の治療を行うことにより、ご本人・ご家族が過ごしやすくなる場合があります。
臓疾患や動脈硬化に関する検査
- アルツハイマー型認知症
- レビー小体型認知症
- 血管性認知症
- 前頭側頭葉変性症
- 正常圧水頭症
- 慢性硬膜下血腫
- 軽度認知障害(MildCognitiveImpairment)
- 若年性認知症
- うつによる仮性認知症
- 薬剤による認知機能低下
- その他、内分泌疾患や感染症など、
認知症は進行すると日常生活の自立が困難になり、要介護状態となり、さらに食事が十分とれなくなり、衰弱がすすむ事で、寝たきりや死に至る病の一つです。認知症は、早期の発見と適切なケアが重要です。認知症の進行を遅らせるための薬物療法、生活習慣の改善、日常生活の過ごし方、家族や介護者との交流、関わり方によって、経過が大きく異なります。最初は、ご家族の方だけのご受診も可能です。まずは、お気軽にご相談ください。
認知症の診断/検査について
当院では主に下記の検査を行った上で診断をしております。
認知機能低下と関連する疾患を診断する診察と血液検査
アルコールなどの嗜好品、食習慣や過去の疾患による栄養素の欠乏、内分泌疾患や代謝性疾患によるホルモンや電解質異常、睡眠薬など薬剤関連性のもの、感染症など他の原因による認知機能低下を鑑別するための検査です。
認知機能検査(HDS-R、MMSEなど)
認知機能検査は、記憶力、言語能力、判断力などの認知機能を評価するテストです。HDS-R(HasegawaDementiaScale-Revised)やMMSE(Mini-MentalStateExamination)などが一般的に使用されます。
自費診療による検査
単独で受けることも可能ですが、両者を組み合わせた検査をお勧めしています。
神経心理検査(臨床心理士による複数の認知機能検査、1時間程度)
高齢者での認知機能検査の経験も豊富な心理士による面接です。ご本人の状況により、心理的評価やより詳細な認知機能検査を組み合わせて行います。早期の方、うつなどの精神疾患による認知機能低下の検出が可能です。
MCIスクリーニングプラス
軽度認知機能障害(MCI)を早期発見する血液検査です。9つのタンパク質を解析し、軽度認知障害(MCI)のリスクを判定します。
CT・MRI(MagneticResonanceImaging)
認知症の診断においては、脳の形態や損傷、脳血管の異常などを評価するために使用されます。当院では最寄りの画像専門検査センターをご紹介し、結果について当院でご説明しています。
脳血流SPECT・心筋交感神経シンチ、ドーパミンSPECT
核医学を用いた検査で、機能を評価します。必要に応じ、他の医療機関(主に、東大病院認知症センター)にご紹介しています。
認知症検査入院
髄液検査が必要と考えられる場合など、必要に応じ、東大病院老年病科での入院検査も可能です。
認知症の治療について
認知症の治療は根本的な治癒が難しい病気です。したがって病状の進行を遅らせることや症状の緩和を目指すことが主な治療方針となります。なお、当院で行っている治療法は主に以下となります。
薬物療法
認知症では、物忘れ、見当識障害(時間や場所がわからなくなる)、失行(いままでできたことの手順がわからなくなる)といった症状(中心症状)に加え、不機嫌、怒りっぽい、意欲が低下するなどの精神的、心理的な症状が生じることもあります(周辺症状)。
周辺症状が、ご本人・家族の生活の質の低下を招くことも多いです。物忘れ自体を直すことは困難なことが多いですが、周辺症状の治療を行うことにより、ご本人・ご家族が過ごしやすくなる場合があります。
中心症状、周辺症状への薬物治療
アルツハイマー病の治療にはコリンエステラーゼ阻害薬やグルタミン酸受容体拮抗薬などが使用されます。これらの薬は神経伝達物質のバランスを調整し、症状の進行を遅らせる効果があります。
また、老年医学の視点から、ご本人とその家族に、カウンセリングや介護支援に関する情報提供、サポートを行います。